京都の洛北、自然豊かな栂尾(とがのお)の山中にひっそりと佇む高山寺(こうざんじ)。
1994年に「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されたこの寺院は、国宝「鳥獣人物戯画」の所蔵先や、日本のお茶の発祥地として知られています。
喧騒から離れ、静寂と歴史に包まれた高山寺の魅力と見どころをご紹介します。
1. 日本最古の漫画? 国宝「鳥獣人物戯画」
高山寺と聞いて最も有名なのが、国宝**「鳥獣人物戯画(ちょうじゅうじんぶつぎが)」**です。「日本最古の漫画」とも称されるこの絵巻物は、甲・乙・丙・丁の全4巻からなります。
- 甲巻: 擬人化されたウサギやカエル、サルなどが水遊びや相撲を楽しむ、最も有名な巻。
- 乙巻: 馬や牛などの実在の動物から、龍や麒麟といった空想上の動物までが写生的に描かれています。
- 丙巻: 前半は人々の遊戯、後半は動物たちの戯れが描かれています。
- 丁巻: 人物のみが荒々しい筆致で描かれ、勝負事に興じる様子などが楽しめます。
実物は東京や京都の国立博物館に寄託されていますが、境内の「石水院」では精巧なレプリカが展示されており、当時の人々が描いたユーモアあふれる世界観を間近で体感することができます。
2. 明恵上人と「日本最古の茶園」
高山寺は奈良時代に創建されたと伝えられていますが、実質的な開基(創立者)は鎌倉時代の僧侶・**明恵上人(みょうえしょうにん)**です。後鳥羽上皇からの帰依を受け、1206年に高山寺として再興しました。
また、高山寺は「日本最古の茶園」があることでも知られています。
栄西禅師(臨済宗の開祖)が宋から持ち帰った茶の種を明恵上人に贈り、境内で栽培したのが始まりです。ここで育ったお茶が後に宇治へと移植され、かの有名な「宇治茶」のルーツとなりました。現在でも境内には茶園があり、毎年5月には茶摘みが行われています。
3. 四季を彩る国宝「石水院」からの絶景
高山寺で唯一、明恵上人時代の遺構として残るのが国宝の**「石水院(せきすいいん)」**です。鎌倉時代初期の簡素な寝殿造風の建築様式を今に伝えています。
広く開け放たれた南縁(縁側)からは、周囲の山々と清滝川の渓谷が織りなす絶景を望むことができます。
- 初夏: 清々しい「青もみじ」が視界いっぱいに広がり、森林浴に最適です。
- 秋: 京都屈指の紅葉の名所として知られる「三尾(高雄・槇尾・栂尾)」のなかでも、ひと足早く見頃を迎える美しい紅葉を堪能できます。
高山寺の基本情報
| 項目 | 詳細 |
| 住所 | 京都府京都市右京区梅ヶ畑栂尾町8 |
| 拝観時間 | 8:30 ~ 17:00 |
| 拝観料 | 石水院拝観料:大人1,000円、小人500円 ※紅葉時期(10月〜12月頃)は別途、入山料(500円)が必要 |
| アクセス | JR京都駅からJRバス(高雄・京北線)で約55分、「栂ノ尾」下車徒歩約5分 地下鉄四条駅/阪急烏丸駅から市バス(8系統)で約50分、「栂ノ尾」下車徒歩約5分 |
| 駐車場 | あり(約50台・無料 ※11月のみ有料) |
※拝観料や期間などは変更になる場合があるため、お出かけの際は高山寺の公式ホームページなどで最新情報をご確認ください。


